東京・埼玉・神奈川・千葉を含む、首都圏近郊に位置する株式会社コンテックでは、計測器に使用されるLEMO(レモ)ケーブルやBNCケーブルなどの各種ケーブルをはじめ、精密機器などの様々なケーブルを取り扱っております。1978年の創業より電子機器、計測機器、精密機器などの修理・点検・校正・検査業務を通じて多種多様なケーブルの取り扱い実績のある弊社は、長年にわたるノウハウと実績を活かした高品質で丁寧な各種ケーブルの製作、検査、点検、修理サービスを提供いたします。
ケーブルの重要性
ケーブルとは、電気を通す「導体」である複数本の電線を、電気を通さない「絶縁物」と「外皮(シース)」で覆ったものです。身の周りでよく目にするケーブルとしては、USBケーブルやLANケーブル、家電製品の電源コードなどが挙げられます。
計測器で使用されるケーブルは、センサーからの測定信号を受信側である計測器へと届ける役割を担っています。計測機器本体の精度やセンサーの反応精度はもちろん重要ですが、それらをつなぐケーブルについては”付属品”という不遇な扱いを受ける傾向にあります。しかし本来はセンサーや計測器本体と同様に気を配るべき存在なのです。パソコンと周辺機器で例えると、4Kや8Kの高画質を享受するためにはモニターだけでなく、PC本体はもちろんケーブルも対応した性能を備えていなければなりません。せっかく高品質なモニターやPCを揃えたのにケーブルを蔑ろにした結果、欲しかった性能が手に入らないようでは本末転倒です。
計測器においてセンサーと計測器本体をつなぐケーブルにも同じことが言えます。送信側のセンサーからの微弱な電気信号の変化によって、受信側の本体で微細な測定値を再現する精密機器や各種計測器においては、当然ながらケーブルにも相応の精度が必要です。
しかし、ケーブル製造上の不具合や、ケーブルの使用環境や経年による劣化が原因となり、測定値の異常や表示不良などのトラブルが発生するケースが往々にして見受けられます。製品の品質を保つには、製造後の新品出荷検査や、一定期間使用後の定期検査や校正が不可欠ですが、ケーブルも計測器を構成する重要な一員として同じように検品や点検を強く推奨いたします。苦労して取得した測定結果が、それこそケーブル1本のために台無しになっては、何のためにセンサーや計測器の定期校正や更新に気を配り品質管理に努めてきたのか分からなくなってしまいます。さらにはケーブルの断線によって大切な機器の故障、ラインの停止、最悪の場合には火災などの事故が発生するなど、より大きなリスクに発展する可能性も考えられます。ですので、ケーブルの検査、点検、修理が重要な意味を成します。
ケーブルに関する弊社サービス紹介
弊社が提供するケーブルに関しての各種サービスをご紹介いたします。具体的には、ケーブルの製作(カスタムオーダー、はんだ付け)、検査(外観検査、絶縁抵抗検査、導通検査)、点検、修理で、1つずつ詳しく解説していきます。
ケーブルの製作
ニーズにあわせたケーブルとコネクタで、使用環境に最適化されたワンランク上の製品を製作いたします。たとえば、LEMO(レモ)ケーブルやBNCケーブルなどをはじめとする各種計測器用ケーブルにおいて、既製品では手に入らない長さでの製作が可能です。現場で欲しい長さがメーカーから市販されておらず困っていたり、入手可能なケーブル長で妥協した不便なレイアウトを強いられている方は、ぜひカスタムオーダーをご検討ください。
また、ケーブル製作に欠かせない作業とスキルとして「はんだ付け」があります。コネクタとケーブルの接合の際にケーブル端末処理として、ケーブルの芯線先端をはんだ付けや圧着処理、端子加工することで、ほつれ防止や耐久性向上の効果があります。
はんだ付け作業はその技術精度や練度によっては、かえって不良の原因となり、パフォーマンスの低下を招く恐れもあります。正確で確実なはんだ付け技術を習得した作業者を擁する弊社では、適切な温度管理と絶縁処理をされたはんだごてを使用し、安定した品質の丁寧で正確なはんだ加工をいたします。
ケーブルの検査
弊社では各種計測器の出荷検査の際に、各種センサーと計測器本体を接続する「ケーブル」においてもこの検査を実施しており、多種多様なケーブルにおいて豊富な検査実績があります。そのためケーブル単体での検査においても質の高い検査をご提供できますので、ぜひ弊社にケーブル検査をご依頼ください。主に以下の3点の検査を標準で実施しますが、メーカーの仕様やご希望により多様な検査に対応いたしますので、ぜひご相談ください。
外観検査
目視により、製品の異常や不具合を良否判定する外観検査。一般的な目視検査項目としての「キズ」「変形」「変色」「汚れ」などの有無の他に、ケーブル特有の不良としてケーブル端末部分の確認をいたします。
ケーブルの接点やコネクタなどのケーブル端末処理や接続において、必ずしも十分な完成度ではないケースが見られます。たとえばケーブル端末の芯線先端がはんだ不足でほつれていたり、はんだ処理自体がされていなかったりする状態。この状態でも、導通には問題は無いことも多いため判定基準はパスしますが、ケーブルはその性質上曲げ伸ばしや引っ張りにより応力がかかることが想定されるため、長期使用での耐久性には不安が残ります。弊社ではこのようなケースの発生時にはメーカーとご相談のうえ良否判断をしたり、ケーブル端末処理や再はんだ付けをお手伝いさせていただいたりすることもあります。他にはケーブルの接点やコネクタなどに、汚れや錆などが付着や発生しているケースもございます。新品であっても在庫の保管環境によっては錆の発生や樹脂部分の劣化を招きます。製造工程後の脱脂が十分でない場合にも、油分が残ることで絶縁に影響を及ぼすケースも見られます。強く曲げられたケーブルには応力の集中により、表面に他の部分と異なる色合いの跡が残ることもあります。このように目視により外観を注意深く観察することで、製品の品質が懸念される事象を抽出し、判定結果につなげます。
絶縁抵抗検査
「絶縁抵抗試験」とは、試験電圧にて抵抗値を測定することで、その値が製品や部品の仕様書通りに許容範囲内であることを確認するのが目的です。ケーブル類に関してはコネクタ部分に絶縁不良が発生する事例が散見されますが、弊社では特殊な処理を実施することで絶縁状態が改善するケースもあり、品質管理の懸念材料となる歩留まりの悪化防止に一役買っております。
導通検査
まず「導通」とは、電線の途中に断線がなく電気的につながっている状態のことを指します。検査の方法としては、ケーブルの端から端までの2点間に電気が通ることを確認するために、テスターなどに備わっている「導通モード」や「抵抗モード」を使用します。これにより、外観からでは目視できない内部の断線を適切に検出することで、導通状態の健全性を確認することができます。
ケーブルの点検
測定中や使用時に不具合事象が既に発生している場合には、当然のことながら修理や交換といった処置や対処に向けたアクションが迅速にとられますが、特に問題もなく測定が続けられているうちは、定期的な点検作業は疎かになりがちです。しかし、ケーブルは日々「経年変化」により、構成部品や材質が劣化方向へと変化していきます。劣化が進行した結果、センサーからの測定値が正しく計測器本体に伝わらず、作業者も気付かないうちに製品の精度範囲を外れたまま、データを取得し続けてしまう可能性があります。そのような測定値の健全性を損ねるリスクを回避するためにも、定期的な点検が欠かせないのです。
ケーブル点検の検査内容
前述のケーブル検査において標準で実施される「外観検査」「絶縁抵抗検査」「導通検査」がケーブル点検においても同様に実施されます。使用環境や状況により懸念される症状などがある場合は、多方面から検査を実施しケーブルの健全性を確認いたしますので、ご要望があればぜひご相談ください。
ケーブルの劣化・破損事例
ケーブルの劣化を促進したり、破損につながったりする主な原因として「使用環境」や「外圧」が挙げられます。「使用環境」では、温度や湿度が通常より高かったり低かったり、粉塵や埃が多いなど異物の混入が生じやすい環境や、雨や紫外線が当たる屋外などの厳しい環境下では、素材の変質や劣化をより早めると考えられます。結果として、樹脂素材の硬化や破損、金属素材の酸化還元反応による錆などにつながります。
「外圧」では、ケーブルに対して「曲げ伸ばす」「引っ張る」など外部より物理的な力がかかることで断線につながります。その他にも「特定箇所へ繰り返す負荷」として、コネクタなどは抜き差しの度に繰り返し負荷がかかる箇所のため、破損や劣化へとつながります。過去の事例から、ケーブル不良の発生箇所や不具合事象のうち主なパターンを紹介します。
被覆の裂断
ケーブルの導通部分を保護するビニールなどの絶縁素材が切れてしまっている状態です。この状態では芯線がむき出しで外部から保護されないため、錆が発生すると通電時の抵抗値が変わることで測定値の正常性に影響を与えたり、ショート(電気的短絡)による機器の故障や発熱による火災の危険が考えられたりします。
芯線の断線
ケーブルの導通部分が切れてしまっている状態です。導通が切断されると測定は完全に遮断されますが、断線しかけているが辛うじて導通はしている場合は振動などによって接触と遮断を繰り返すことで測定指示が不安定となり、原因特定に時間を要するケースもあります。
コネクタや端子、ケーブル端末処理部分の劣化
ケーブル端末の芯線先端がコネクタ接合の際にほつれてしまっている状態です。はんだ付けや端末処理された箇所においてもコネクタとの接合が繰り返されることにより、経年劣化が発生していると考えられます。さらに屋外で使用するケーブルは紫外線によってコネクタなどのプラスチック素材の劣化により接続不良を起こしている可能性があります。コネクタ内部の絶縁体が劣化してピンが抜けてしまったり、接触不良が発生する事もあるのでこちらも注意が必要な症状です。
汚れや錆・緑青
ケーブルの接点やコネクタなどに、汚れや錆、錆の一種である緑青などが付着や発生している状態です。電気の流れに影響を与えるものとして、電気を通さない性質を持つ非導電物質、反対に電気を流す性質の導電物質があり、どちらも汚れとして付着することで本来の電気の流れを増減させ正確ではない結果を生み出します。被膜に覆われたケーブル本体と異なり、剝き出しであることも多いケーブルの接点やコネクタ部分は、錆や、錆の一種である緑青などが発生しやすい箇所でもあります。
ケーブルの修理
ケーブルの点検作業により、不具合箇所の特定に至った場合は、ケーブルの状態に則した適切な処置をさせていただきます。使用年数や現品の劣化進行具合から、新品への交換や更新を推奨させていただくケースもありますが、部分的な破損であったり使用年数が比較的浅く部品交換で十分に対処可能と判断できる場合など、ご要望によりケーブルの修理をいたします。また、見た目だけではなく電気信号への影響も懸念されるケーブルの汚れや錆、錆の一種である緑青などを除去することで、接点の状態を回復し計測器の測定精度を低下させる要素の排除に努めております。弊社では今後もできるだけ長くケーブルをお使いいただけるように、はんだ付けなどのケーブル端末の再処理などもお手伝いさせていただきます。このようなケーブルの端末処理を丁寧に行うことで接点がリフレッシュされ、お使いの測定機器が現状で持ち得るパフォーマンスを最大限に発揮させることにもつながり、測定機器の信頼性を向上させることに貢献します。
取り扱いケーブルの一例
- LEMO(レモ)ケーブル
- BNCケーブル
- マイクロドットケーブル
- ベンデックスケーブル
- PS/2キーボードケーブル
- PS/2マウスケーブル
- HDMIケーブル
- Displayケーブル
- mini Displayケーブル
- DVI-D(Dual Link) ケーブル
- ミニD-Sub15ピンケーブル
- S端子ケーブル
- コンポジット端子(RCA端子) ケーブル
- SATAケーブル
- E SATAケーブル
- IDEケーブル
- FDDケーブル
- USBケーブル
- IEEE 1394ケーブル
- ミニプラグ/ミニジャックケーブル
- 同軸ケーブル
- UTPケーブル
- STPケーブル
- シリアルケーブル
- パラレルケーブル
- 電源ケーブル
その他、ご要望により相談に応じます。
ケーブルの製作、検査、点検、修理ならコンテックへ
コンテックでは各種ケーブルの製作や検査、点検や修理も承っております。測定器の校正のタイミングでの点検をおすすめしますが、ケーブル単体での点検・修理も可能ですので、ケーブルの状態に不安がございましたら一度コンテックにお預けください。