出荷前検査に関することで、こんなお困りごとはありませんか?
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このページでは、検査工程における出荷前検査、出荷前検査の重要性、種類、方法などを専門家が解説します。
目次
検査工程における出荷前検査
出荷前検査とは、いくつかあるうちの検査工程のひとつです。後述のような検査工程があり、製品の製造過程において、どのタイミングで製品検査が実施されるかにより区分されます。検査の種類は、製造工程上で検査が実施されるタイミング順に「受入検査」「工程検査」「最終検査」「出荷前検査」がありますが、検査の実施タイミングや企業ごとの検査内容などにより検査の名称が異なる場合があります。それぞれの検査工程には次の特徴が見られます。
1.受入検査
製造時に必要な部品・製品を外部または1つ前の工程から受け入れる(受け取る)際に行われる検査です。測定機器による検査または目視で品質・形状などの適合・不適合を判定します。すべてを検査する「全数検査」と、すべてのロットから一部を抜き取る「抜き取り検査」があります。受入検査後は仮に不良・不具合があった場合にも受け入れた側の責任となるため、非常に重要な検査です。
2.工程検査
「工程内検査」「中間検査」などとも呼ばれ、その名の通り製造過程で次の工程へ移るタイミングで行う検査のことです。自社内で行う「自主検査」のほか、ロットが多かったり複雑な検査が必要な場合は当社のような会社に委託するケースもあります。
3.最終検査
「最終検査」は工程の最後に製品・機器・部品のチェックを行う検査です。製品が出荷される前の最終段階における検査のため、製品としての完成度や品質を厳しくチェックし、不良品が市場に出荷されてしまうことを防ぎます。
4.出荷前検査
一般的に製品の製造過程で発生する「出荷前検査」は市場または顧客の手にわたる出荷手前の最終段階に発生する非常に重要な検査です。製品であれば「適合」または「不適合」、ロットであれば「合格」または「不合格」で判定します。
出荷前検査の重要性と必要性
前述の最終検査後に間隔を置かずに出荷となる場合など、出荷前検査との区別をつけずにひとつの検査工程とする企業もあるため、「出荷前検査」は「最終検査」と呼ばれるケースもあります。たとえ工場などで実施される「最終検査」において、製品の完成後に製品基準を十分に満たすとの検査結果が出されていても、その後の保管期間によってはその検査結果が変わってしまう可能性があるため、出荷直前に設けられる「出荷前検査」は非常に重要です。その一番の目的は、「不良品」が取引先や市場に流出しないように、この最後の砦ともいえる検査で「不良品」を確実に排除することにあります。もしも「不良品」が流出してしまったら……。この事態は、取引先や顧客からの信頼や評価を得るべく日々の品質改善やコスト削減に尽力している企業にとって最も憂慮すべき事態のひとつです。場合によって全数回収や再生産・廃棄処理などのコスト発生も考えられますが、何より積み上げてきた信頼を失うことは数字に表せない多大なダメージとなって企業に損害を与えます。
このことからも「出荷前検査」はリスク管理において非常に重要な役割を持ちます。ここでは、出荷までに間隔が空いてしまう場合に、製品の品質に変化が生じる=製品の「劣化」について、代表的な2例を紹介します。
人的な劣化
主に「人の手」が入ることで発生する傷や変形などの劣化のことです。人と製品との接触が皆無であれば発生しない劣化ですが、実際にそのような状況を維持するのは、相当に難しいと思われます。何故なら在庫としての管理には、「定期的な在庫チェック」や「社内全体での棚卸し」が不可欠です。また、出荷オーダー後に完全な梱包状態になるまでに製品の移動が少なからず必要となり、「人が運搬をする状況」が発生します。直接人の手が触れない場合でも、運搬時の振動や衝撃が原因で傷や変形などの劣化を起こすこともあります。細心の注意を払うのは当然ですが、人によるエラーは残念ながらゼロにはできません。
経時的な劣化
主に「時間の経過」により発生するプラスチック部品の変色や鉄部品の錆などの劣化のことです。基本的に物質は時間の経過とともに変化し、同じ状態を留めることができません。特にプラスチック系素材の場合は在庫保管の期間が長期にわたるほど劣化が顕著となり、変色の他にも割れるなどの破損も考えられます。在庫として保管された期間の長さだけでなく保管場所が高温・低温・高湿度となる不適切な環境であった場合にも劣化のスピードを促進させることがあります。そのため各企業では自社が定めた期間に応じて、出荷前検査の実施または省略を決定しているケースが見受けられます。製品の性質や特徴から、劣化内容や劣化箇所をある程度予測しやすい傾向があるため、錆の発生しやすい箇所を必ず検査項目として盛り込んだり、プラスチック部品の変色に対しては正常なサンプル、または変色したNGサンプルとの比較により検査を効率よく進めることができます。
出荷前検査の方法について
検査する製品の特徴や特性により、より慎重で精度の高い検査を要するパタ-ンから省略や簡略化で済ませるパターンまで、数ある検査方法から適切なものを採用する必要があります。「外観検査」では文字通り見た目で判断できる判定を行ないますが、人の目により製品の損傷や変形などを検査する「目視検査」と、測定器の使用により製品が規格通りの寸法に仕上がっているかを測る「寸法検査」などがあり、それらの検査を通じて製品の品質を一定に保ちます。「機能検査」では、製品や部品が定められた仕様の通りに動作するかを確認します。他にも、出荷発送までを含めた作業の場合は梱包材の変形や不足など梱包に不備がないかをチェックする「梱包状態検査」により、お客様や出荷先へ製品をより万全な状態で納品できるようになります。
外観検査
工業製品における品質管理のプロセスで重要なポジションを占めるのが「外観検査」です。この検査では製品の外観から判別できる不具合・欠陥を詳細にチェックし適切に排除することで、取引先や市場への不具合品の流出を防ぎ、企業の信頼と製品の品質の向上に大きな役割を果たします。また、不具合品の抽出結果から製造過程での原因を突き止め、製造工程の改善へと役立てることも可能なため、外観検査から得られる情報はとても有用です。
現在では撮像したデータから製品の良否判定を自動で行なうシステムも普及しつつあります。しかし、判定基準に曖昧さを含んだり判定項目が多岐にわたる場合においては、まだまだ人の目や手による検査に軍配が上がるケースもあります。このような状況で装置が正しい判定を下すには、より多くの多種多様で正確な良否サンプルの準備が必要となり、その他にも判定基準変更に伴うプログラム変更に加え、機械設備などの初期費用や保守などが必須となります。そのため取り扱う製品の性質やロット数によっては、説明や伝達によりその判定基準の多様さや曖昧さを即座に理解する柔軟な思考を持つ「人」ならではの検査にその優位性があらわれます。
目視検査
目視検査による外観的不良の主な検出項目としては、「製品や部品内への異物の混入」「汚れ」「変色」「キズ」「変形」「錆」などの欠陥が挙げられ、状態に応じ標準サンプル品との比較により良否判定を行ないます。人による検査としては「視覚」で得た情報で判定する「目視検査」の他に、「聴覚」「触覚」「嗅覚」「味覚」など人の五感を使って行う「官能検査」があり、特に指先の感触や触覚は、製品や部品の外観・形状を検査するうえで視覚に次ぐ重要な情報源です。この他に寸法検査による長さの計測などがあり、総合的に製品や部品に定められた規格を満たしているかが判定されます。
目視検査例1:プラスチック部品
日常的に目にする機会も多く身の回りにあふれているプラスチックは、樹脂を金型に流しこむことで成型し、その形状が完成します。そしてプラスチック部品における不具合は成型時と成形後に発生するものがあり、それぞれの特徴があらわれます。プラスチックの柔軟性や加工性は最大の利点であるとともに、キズや変形などの発生しやすさにもつながり、その性質上成型時の不具合をゼロにすることは難しく、いかに歩留まりを高く保つかがメーカーにとっての永遠の課題といえます。そのためにも、不具合の有無を機械的に0か100かで判定することなく、メーカーが示した良否サンプルや箇所ごとの判定基準に沿って適宜対応できるかが鍵となります。このあたりはメーカーや製造現場との密接なコミュニケーションにより、企業側が考える良否基準をアップデートし、検査内容に即座に反映できることが、経験を積んだベテラン検査員による製品出荷検査の最大の利点といえます。
目視検査例2:プリント基板
プリント基板とは、絶縁性の板材に導電性の金属を回路状に形成した「プリント配線板」と、IC機器部品や抵抗器などの電子部品がはんだ付けによって実装された「プリント回路板」の総称です。プリント基板の目視検査は「プリント配線板」製造後や、「プリント回路板」として電子部品の実装後に実施されます。
プリント基板製造時に発生する不具合の種類は多岐にわたるうえに、入り組んだ複雑な形状の実装面を何度も角度を変えつつ目視する必要があります。そのため、プリント基板を人の目により不具合や不良を確認する目視検査は、機械化が進む現在においても欠かすことのできない検査方法です。弊社ではベテラン検査員による丁寧な良否判定により、お預かりした製品の品質を損なうことなく高い信頼性を維持するお手伝いをさせていただきます。
寸法検査
寸法検査とは、製品や部品の完成寸法が規格通りに仕上がっているかを測定する検査です。
製品や部品の形や大きさや位置関係が図面通りに、許容範囲内の誤差に収まっていることを確認することで、成形や加工や組み立てにおける品質が保証されます。
機能検査
機能検査とは、製品が設計通りの機能や性能を正しく発揮できるかを確認する検証作業です。外観上は問題のない製品もその機能に不備があった場合、製品の信用失墜にとどまらず顧客の安全へと影響を及ぼしかねません。機能検査は、安全で品質の高い製品を顧客へと安定供給し、自社製品の信頼を維持するための重要な検査です。機能検査では、製品が疑似的環境下において仕様書通りの動作をするかを検証します。
例えば電子機器などは実際に定格電圧での通電状態で、機能として備わっている電流出力や電圧出力の値を測定し、仕様書にある規格範囲内であることを確認します。また基板上の回路における正常な電気動作に問題がないことを確認したり、ICなどの周生期回路動作やソフトのバージョン確認・最新バージョンの書き込みなど、多岐にわたる検査項目が存在します。その製品が持つ全ての動作に検査項目が設定可能と思われますが、実際にはメーカー側が機能・動作に必須と判断した項目に絞って機能検査が実施されます。数ある機能検査の中からいくつかの例をピックアップして詳しく解説いたします。
機能検査例1:耐電圧検査(絶縁耐力検査)
耐電圧検査(絶縁耐力検査)とは、電気機器や部品を使用する際の電圧に対して、十分な絶縁耐力を有するか(絶縁破壊を起こさない絶縁の強度があるか)を確認する検査です。電気機器が安全に使用可能かを確認する重要な検査であり、もしこの検査が無ければ使用者が感電したり発熱による火災を引き起こす可能性のある製品が市場に流出してしまいます。そのためAC100V電源などを使用する電気機器や部品では、製品の出荷前に必ず検査することで安全性を確保しています。出荷前検査の事例として、電気機器製品では「USB/ACアダプター」に、電気機器構成部品としては「タンブラースイッチ」に対してこの検査を実施し、市場に出たり製品に組み込まれる直前の安全確認をサポートしております。
機能検査例2:絶縁抵抗検査
先に紹介した耐電圧検査では、絶縁破壊を起こさない絶縁の強度があるかを確認するのが目的でしたが、ここで紹介する絶縁抵抗試験とは試験電圧にて抵抗値を測定することで、その値が製品や部品の仕様書通りの許容範囲内であることを確認するのが目的です。出荷前検査の事例として、大気中の水分量を測定する「水分計(露点計)」、サンプルガスの分析が可能な「酸素計」、気体や液体の流れを測定する「流量計」をはじめ各種計測器においてこの検査を実施しております。また、耐電圧検査の事例でも紹介した「USB/ACアダプター」や「タンブラースイッチ」に加え、各種センサーと計測器本体を接続する「ケーブル」においてもこの検査を実施しております。ケーブル類に関してはコネクタ部分に絶縁不良が発生する事例が散見されますが、弊社では特殊な処理を実施することで絶縁状態が改善するケースもあり、品質管理の懸念材料となる歩留まりの悪化防止に一役買っております。
機能検査例3:導通検査&通電検査
似通った言葉が使われる「導通検査」と「通電検査」のふたつの検査ですが、検査の目的がそれぞれにあります。
導通検査はケーブルや基板などの2点間に断線がなく電気が通ることを確認するのが目的です。そのため電気機器などを電源につなぐ必要はなく、テスターなどで確認します。
一方の通電確認は実際の使用状態で正しく電気が通っているかを確認するのが目的です。そのため製品仕様通りの電源に接続し、電源をONにし問題なく通電していることを確認します。各種スイッチ動作やパネル表示など、電源がONの状態で確認する検査として一括りにされることも多く見受けられます。出荷前検査の事例として、先に挙げた製品の他に特殊な計測器において基板回路の各間ごとの値が仕様書通りかを確認する通電検査を実施することで、特殊な環境下での信頼性のある動作をサポートしております。
機能検査例4:出力検査
製品が有する出力機能が仕様書通りに発揮できているかを確認する検査です。
製品の使用目的により電圧出力や電流出力が採用されています。USB/ACアダプターなどは定格電源への接続時に許容範囲内の電圧値であるかをテスターにより確認します。計測機器などで出力機能を有する場合、4-20mAのアナログ出力が多く見受けられます。これは測定場所と作業者の距離が離れることが想定されるため、長距離での減衰が無く、電圧信号に比べてノイズに強い電流出力が採用されていると考えられます。作業者が直接計測器の表示を目視することができない場合や、計測器本体にログをとる機能が無い場合などは、計測器から出力された信号が唯一の情報源となるため、その値の精度がそのまま計測精度となってしまいます。そのため、品質はもちろん精度を重視する製品においてはとても重要な検査となります。
弊社では、許容範囲外の出力不良が発生した場合でも、計測機器本体の調整機能が正常であれば校正による再調整にて本来の精度に戻すことが可能です。不良が発生した際の再調整・修復までをお考えでしたらぜひ弊社へ出荷前検査をお任せください。
出荷前検査のご依頼ならコンテックへ
これまでに紹介した以外にも、弊社では製品に使用されるバッテリーの持続力検査として、充放電の確認なども行っております。こちらは製品の他の検査に付随するものですが、もちろん単独での依頼もご相談に応じます。単純作業や小ロットの依頼から、検査項目が多岐にわたる精密作業まで、どんな製品・どんな検査の相談でも、もちろんお待ちしています。